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比較
それぞれのニュアンスの違いは以下の通りです。
①even thoughー very surprising
②althoughーsurprising
③thoughーbarely surprising
これらは全て’subordinator of concession’という分野に属しており、日本語でいうと『譲歩』とも言われます。これらは日本では接続詞の仲間として捉えることもありますが、正確にいうと’concession‘と呼ばれるジャンルの1つとなります。これだけ見ても違いは明白であり、驚き度合いに応じて使いこなすのが良さそうです。
①even though
①even thoughー very surprising
even thoughは主節(Independent Clause)に対して副節(Dependent Clause)の驚きがとても大きい場合に使うことができます。実際に例文を見てみましょう。
例文
- Viewing the cherry blossoms at night is cold even though it is spring.
春とはいえ、夜の花見は寒かったです。
- I enjoyed cherry blossom viewing even though most cherry blossoms have now fallen.
桜はほとんど散っていたけど、お花見をしました。
- Even though I’m worried, I’m looking forward to my graduation trip.
卒業旅行、不安もあるけど楽しみです。
上の例文を見てわかる通り、even thoughは主節と副節の驚きが大きい際に使うことができます。
<ここがポイント>
驚きが大きいということは、相手はそれなりの結末を予想してくることになります。それなりの結果というのは、普通はこうであるという常識とは違うということです。例えば1つ目の例を見てみましょう。春というと私たちは比較的暖かいというと想像します。それに対して、寒いという事実は一般的には珍しいことであるということになります。そのため、even thoughが適していると考えられます。
引き続き2つ目の例を見てみましょう。お花見というと、桜が満開であるというのをイメージしますし、通常は桜が散る前に花見をするのが普通です。それに対して、桜がほとんど散っていたのにもお花見をしたという事実は驚きが大きいことが分かります。そのため、これもeven thoughが適していると言えます。
このように、even thoughを使う際は『普通はこうである』ということから乖離している際に使うことができます。そのため、even thoughのあとに驚きの少ないことを述べるのはあまりオススメできません。
これは日本語でも同様のことが言え、『ねえ、聞いてほしいことがある。』と他人から注目してもらうためにいう人があります。このあとに、相手にとって大したことないことを言ってしまうと大口を叩いてしまう人というレッテルを貼られることになります。また相手によっては不快にさせてしまったり、今後の話を真剣に聞いてくれなくなってしまいます。そのため使い方には注意するようにしてください。
②although
②althoughーsurprising
althoughは主節(Independent Clause)に対して副節(Dependent Clause)の驚きが大きい場合に使うことができます。これが今回の3つの中で一番使いやすいと言えるでしょう。実際に例文を見てみましょう。
例文
- Although it is snowing, I must go.
雪が降っているが、行かねばならない。
- Although I was tired, I did my best.
私は疲れていたけども、最善をつくした。
- The boy opened the window although his mother told him not to.
母親は窓を開けないようにと言ったが、その少年は窓を開けた。
<ここがポイント>
even thoughに比べ、althoughは驚き具合が低いことがわかります。1つ目の例文を見てみましょう。雪の中で外出するということは比較的ありえることであり、雪が降っていても外に出ないといけないケースというのは私たちも想像することができます。ですが、極力外に出たくはないという気持ちを考慮して、中程度の驚きを表すことができるalthoughが使用されているのです。
引き続き3つ目の例文を見てみましょう。母親が注意したがその子供が窓を開けてしまうというのはよくあることです。窓を開けないように注意したから、本来であれば窓を開けないようにしておくべきであるが、子供が親のいうことを聞かないというのは一般的に予想することができます。そのため、この例文もalthoughが適していると言えます。
③though
③thoughーbarely surprising
thoughは主節(Independent Clause)に対して副節(Dependent Clause)の驚きがほとんどない場合に使うことができます。そのためthoughはネイティブの会話でも日常的に使われています。
例文
- Though he has no money, he talks of building himself a new house.
彼は金も無いくせに普請をするなどと言っている
- Though he was tired, he kept on working.
疲れてはいたが、彼は仕事を続けた。
- Though she is rich, she is not happy.
金持ちにかかわらず彼女は幸せでない。
<ここがポイント>
thoughはわりと万能なものであり、どんな文にもつかうことができます。例文を見てみても特に驚きがあるというわけではなく、事実をサラッと述べたい時に使われています。
使い方の違いを知る
基本的には中間の驚き具合を表すことができるalthoughがオススメです。althoughを使おうとしておいて、普通より驚き度合いが高いか低いかで判断してみるのが良いでしょう。
また、ネイティブの日常会話ではthoughが多用されています。例えば、
- It’s good though.
良いんだけどね。
- I like it though.
好きなんだけどね。
このように、語尾にthoughをつけてカジュアルに使うことが流行っているためこれも抑えておきましょう。
ライティングに使用する際のポイント
驚き度合いに応じて使い分けることは理解できたと思います。注意点として、even though, although, thoughの後には主語と動詞が必ず続きます。また、これらの単語が使われている節はあくまでも従属節であるため、主節を際立たせるためのものであることがわかります。そのため、主節を丁寧に書くことに心がけましょう。
ライティングの際には以下のようなものは基本的には良くないです。
- It’s cute though. ×
可愛いんだけどね。
従属節には必ず主語と動詞を含め、主節も記載するようにしましょう。
- Although he is rich, he works very hard. ◯
また、文頭にalthoughが来る場合はコンマを必ず打つ様にしましょう。文の中間に来る場合はコンマは必要ありません。
- He works very hard although he is rich. ◯
また、ライティングの際には、基本的にalthoughを使うことをオススメします。ですが、語彙力アピールのためにeven thoughやthoughも使うことをオススメします。
まとめ
今回はeven though, although, thoughの違いを解説しました。even thoughは驚き度合いがとても大きい時、althoughは驚き度合いが大きい時、thoughはほとんど驚きがないことを述べる時に使うことができます。
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